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サル痘(Mpox)とは?  08/17/24

WHOは、アフリカの十数カ国に広がっている集団感染に対し、世界的緊急事態を宣言した。感染者は現在13カ国で確認されている。現在の流行はコンゴ民主共和国で最も深刻であり、15,600人の患者と537人の死者(世界中の死者の96%を占める)が報告されている。コンゴ民主共和国での流行は、前回緊急事態が出された2022年の流行よりも致死率が高いことが判明している。コンゴでの死亡率は3%で、2022年の流行時の死亡率0.2%よりはるかに高い。

サル痘ウイルスは中央アフリカと西アフリカの風土病である。この病気は1958年に発見され、研究用のサルで集団発生した。ヒトへの最初の感染は1970年にコンゴで確認された。天然痘に似ているが感染力は弱く、ウイルスは主に感染した動物や感染者との密接な接触(感染者の皮膚や体液に直接触れたり、汚染されたベッドリネンやその他の物品に触れたりする)、汚染された肉の摂取によって広がる。性的接触によっても感染し、胎児に感染する危険性もある。2022年の流行では、主にゲイとバイセクシュアル男性の間で世界的に広がった。無症状の感染者から広がる可能性もある。実際の主な感染経路は、おそらくセックスが第一の要因で、第二の要因は密接な接触と家庭内感染だろうと考えられている。

主に2つのタイプがある: 現在コンゴで優勢なクレードIと、2022年の世界的大流行を引き起こしたクレードIIである。(クレードとは、遺伝的にも臨床的にも異なるウイルス群のこと)。一般にクレードI型の方が重症化しやすく、死亡率も高い。世界の他の多くの国々では、2022年に大流行したクレードIIb型の患者が出続けている。米国では今年約740人の患者が発生しており、昨年のこの時期の2倍以上である。ヨーロッパでは、重症のクレードIの感染者が今週スウェーデンで1例報告された。北米やヨーロッパで感染が広がり始めるのは時間の問題だと考えられている。

発熱、頭痛、筋肉痛といった普通の風邪症状から始まり、その後、口、手、足、性器に盛り上がった発疹ができる。膿疱に進行し最終的にはかさぶたになる水疱性発疹がこの病気の徴候である。特に幼児の場合、発疹は麻疹や水痘などの他の病気と間違われることがある。症状は2週間から4週間続くことがある。SIGA Technologies社が製造しているテコビリマットという治療薬はあるものの(日本にはない)、多くの場合、治療は支持療法と症状の緩和が中心となる。他の多くの感染症と同様、健康な免疫システムを持つほとんどの人は重症化する可能性は低いが、幼児、免疫不全者、H.I.V.のような合併症を持つ人では致死率が高い。高齢者は、1972年に終了した小児期の天然痘ワクチン接種によって、少なくともいくらかは守られている可能性がある。

病気の進行を遅らせるための包括的な解決策ではないが、社会的距離を置くことは、その広がりを抑えるのに役立つ。
2022年の流行時にはワクチンが使用された。アメリカでは2022年、人々が予防接種を受け、行動を改めた結果、感染者数は30,000人以上から昨年は約1,700人に減少した。WHOは2022年7月、サル痘の流行を世界的な保健上の緊急事態と宣言し、それまで報告がなかった70カ国以上で感染が確認された。それ以来、116カ国で10万人近くが罹患している。

How Did Mpox Become a Global Emergency? What’s Next?