検診で時々見つかることが多い病気。血の気が多い状態であり、その死因の一つは血栓症である。
男性: ヘモグロビン(Hb)>18.5g/dL 女性: ヘモグロビン>16.5g/dL
(高地に住んでいる場合の基準値はより高い)
<相対的赤血球増多症>
その大多数は、喫煙、肥満、精神的なストレス(循環血漿量が低下すると考えられている)によるものですが、糖尿病、尿崩症などの病気や、利尿剤や下剤を使用している場合のように、体液喪失、血管外脱水、摂取量低下などが原因になる。感染症などによるサイトカイン血症に伴い、血管の透過性が亢進することによる血管内脱水が生じた結果起こることもある。これらのような脱水が原因である相対的赤血球増多症の場合は、脱水の治療、可能性のある薬剤の中止や変更、禁煙、体重減少目的の指導が治療方法になるが、Hbが20以上を持続したり、粘稠度亢進による自覚症状が持続する場合には、瀉血が行われることもある。
<絶対的赤血球増多症>
(2次性:エリスロポエチン産生亢進)
また、呼吸不全や心不全による低酸素による場合や、腎癌などの悪性腫瘍、子宮筋腫などによる場合のいずれかにより、エリスロポエチンの産生が亢進して赤血球増多を呈することもある。
(1次性:骨髄異常による赤血球産生亢進)
骨髄増殖性腫瘍 「慢性骨髄性白血病(CML)、真性赤血球増多症、本態性血小板血症」の鑑別が必要である。
CML除外のために末梢血bcr-ablFISH検査がなされる。真性赤血球増多症ではJAK2V617FもしくはJAK2exon12変異が陽性になる。本態性血小板血症では、血小板数が持続的に45万/μL以上であり、JAK2V617F変異または他のクローン性マーカーが存在することもある。
「真性赤血球増多症の特徴」
60歳を中心とした男性に多い。頭重感、めまい、倦怠感、耳鳴、発汗異常の自覚症状、赤ら顔、高血圧、皮膚掻痒症、消化性潰瘍、肝脾腫、血栓症を認める。
正球性正色素性貧血、造血能亢進による相対的鉄不足で小球性低色素性貧血のこともある。顆粒球、好塩基球、血小板増加、高ヒスタミン血症、高尿酸血症、高LDH血症が見られる。