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検査陽性だからといって溶連菌感染症とは限らない

溶連菌(GAS)は、5〜15%の健常人の咽頭や消化管、表皮などに常在している。小学校の健康児童に溶連菌迅速検査をやったところ18%の児童で陽性であったという報告があるように、健常小児の12〜20%が溶連菌を保菌しているといわれており、発熱やのどの痛みがない場合に検査をして陽性であっても、溶連菌が本当に悪さをしているかどうかは怪しい。

GASによる急性咽頭炎は2〜10歳で多く見られる。コロナに対する免疫反応と同様に、乳幼児初期特有の免疫力のためだと推測されるが、一般的には0〜2歳児では稀とされており、実際にも家族内流行があっても罹患しないことが多い。しかし、最近、家族内で同時期に発生した1歳9ヶ月児で溶連菌感染症特有ののどの赤みがあった患児で抗菌薬の効果がはっきりしているように見えた例を経験した。ただし、小児免疫によって自然消退したものか抗菌薬が本当に効いたものなのかは断定できない。放っておいても気づかないうちに自然治癒してその後合併症も起こさずに済んだ可能性も否定できない。

5歳以上でのどが痛くて、発熱38℃以上があり、特有ののどの赤さがあって、検査が陽性であれば、溶連菌感染症である可能性は最低でも60%以上はあると想定できる。5歳未満では、発熱または特有ののどの赤みがなければ、特に家族内や集団内での流行にさらされていない場合は、溶連菌が悪さをしている感染症としての可能性は低くなる。いずれの場合でも、抗菌薬開始後24時間以内に解熱し、のどの赤みが消退傾向を示す場合は、溶連菌感染症であった可能性はより高まる。