現在、百日咳とは別の風邪も同時に流行しています。そして、それにかかった多くの人が副鼻腔炎(急性副鼻腔炎)を合併しています。
急性副鼻腔炎の80〜90%はウイルス性であるとされています。その中で圧倒的に最も多いのがライノウイルスです。一般的な風邪の主な原因ウイルスです。鼻粘膜の炎症を起こしやすく、鼻閉・鼻汁を引き起こして副鼻腔にも波及しやすい。
他に、コロナウイルス(季節性)は、通常の風邪の一因として SARS-CoV-2出現前から存在しているウイルスです。
インフルエンザウイルスも、強い全身症状の後に比較的多く副鼻腔炎を合併することがあります。
パラインフルエンザウイルスは、小児に多く、気管支炎が主な症状になることが多いのですが、同時に鼻~副鼻腔の粘膜も侵すことがあります。
アデノウイルスは、鼻汁・発熱・結膜炎など多彩な症状を起こしますが、副鼻腔にも炎症が及ぶことがあります。
しかし、症状が長引いた一部のケースでは、ウイルス感染後に細菌性副鼻腔炎(肺炎球菌やインフルエンザ菌による二次感染による)へと進展することがあります。
ちなみに、ライノウイルスは副鼻腔炎と同時に、気管支炎/細気管支炎/喘息性気管支炎/気管支喘息をしばしば引き起こし、百日咳と同様にしつこい咳の原因でもあるため、見分けがつきにくいこともしばしばです。
2025.05.16