子供の権利条約(unicef)の第24条に、「到達可能な最高水準の健康を享受すること並びに病気の治療及び健康の回復のための便宜を与えられることについての児童の権利」が認められるべきという文言があります。また、医療における子供憲章(日本小児科学会)には、「子供の最善の利益を考えてもらう権利」、つまり、病気の治療方針を決定する時には、子供にとってそれが最も良いことかを第一に考えてもらう権利が子供にはあるということです。
子供、特に乳幼児の治療方法を決めるのは、通常は養育者(主に親)です。実際に治療方針を乳幼児と相談して決めるのは非現実的なことがほとんどです。しかし、子供が親の所有物であるかのように、親の信条や好き嫌いだけを根拠に、子供の治療方法を決めてしまうことは、場合によっては、子供が最善の医療を受ける権利を無自覚のうちに奪ってしまう危険性があることを十分に考慮するべきであるという警告です。
アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギーの治療法を決めるときには、こうした問題がしばしば浮かび上がります。
この問題は、親として十分に理解しておかなければならないことです。子供は親を選べないのですから。