TOPICS

ライノウイルスによる肺炎 01/24/24

2023年から現在に至るまで、肺炎がとても多い状況が続いています。咳が長引いている場合、発熱があってもなくてもレントゲンで肺炎が見つかる人が増えています。
まだ免疫力が十分に育っていない乳幼児、免疫力の低下している人や高齢者に限らず、全世代に渡って増えています。(パンデミック期間に賦活化されなかったために低下している感染症に対する免疫記憶のせいだと考えられています。)
肺炎のうちウイルス性は36%、細菌性が64%を占めると言われていますが、ウイルス感染で始まり、細菌感染が加わることも多く、ウイルスと細菌の両方が検出されることも多い。
肺炎が見つかった場合、それは細菌性であることが多く、適切な抗生剤による治療が必要になります。(ただし、深刻な抗生剤不足のため、今は適切な治療が行える状況ではありません。)
この1年間の原因ウイルスで最も多かったのは、実は最もありふれた風邪ウイルスであるライノウイルスでした。おそらく今もライノウイルスが多くの肺炎の原因になっているのだろうと考えられます。このウイルスが原因と想定される気管支喘息の悪化、副鼻腔炎、中耳炎もきわめて多い状況が続いています。
ライノウイルスは変異株が非常に多いため、有効なワクチンは存在せず、一生繰り返しかかり続けるいわゆる「風邪」です。検査キットは存在しないので、臨床診断は発表されている疫学情報に基づいて、臨床症状から推測しているにすぎません。
予防のためには、手洗い、マスクは有効です。

国立感染症研究所 下気道炎由来ウイルス2023~2024
CDC Rhinoviruses