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好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)       12/04/25

eosinophilic granulomatosis with polyangitis:EGPA は、気管支喘息が先行し、多発性単神経炎などの血管炎症状で発症する疾患である。発症年齢40〜69歳が66%、平均年齢54.9歳、男女比1:1.7でやや女性に多い。日本の成人喘息のうち男0.2% 女0.5%がEGPAであり、ほとんどが45歳以上である。血管炎発症後数週間で虚血による致死的な消化管障害や心障害を呈する劇症型が数%存在する。10年生存率84%、20年生存率69%とされる。

成人発症の「重症」喘息が先行し、アトピー素因は強くないが末梢血好酸球増多が目立ち、好酸球性肺炎や好酸球性鼻副鼻腔炎(70〜80%)を合併している場合に疑われれる。喘息の初発から血管炎発症まで数年以内が多い。平均期間は9年である。しかし、この期間は患者によって異なり、全身性コルチコステロイドや免疫調節療法の使用によって影響を受ける可能性があり、10〜20年以上経ることもある。
血管炎症状として手足のしびれや筋力低下などの多発性単神経炎症状を90%以上に認める。他に、発熱、筋肉痛、体重減少などの全身症状(76%)、紫斑などの皮膚症状(51%)、心病変(16%)、消化管病変(16%)、腎障害(39%)が認められるが、心病変は予後規定因子であり、胸痛などの心症状がある場合は、80%で心エコー異常所見を認める。無症状でも半数で異常所見を認めるため、全例心病変の精査が必要である。

診断基準における主要臨床所見は、(1)気管支喘息またはアレルギー性鼻炎 (2)好酸球増加 (3)血管炎症状:発熱38℃以上2週間以上、体重減少6ヶ月以内に6kg以上、多発性単神経炎、消化器出血、紫斑、多関節痛(炎)、筋肉痛(筋力低下)

MPO-ANCA陽性率は30〜40%であり、陰性でもEGPAを否定できない。EGPAのANCA陽性およびANCA陰性の症状は、それぞれ異なる遺伝子多型と関連している。MPO-ANCA陽性EGPAは、好酸球性自己免疫疾患と関連し、一般的に血管炎表現型(壊死性血管炎および壊死性糸球体腎炎)を発症するリスクが高く、腎病変、皮疹が多い。ANCA陰性EGPAは粘膜/バリア機能経路および2型炎症に関連し、好酸球性臓器浸潤の直接的な結果、心内膜・心筋障害を発症する可能性が高い。しかし、ANCA状態だけでは特定の患者の臨床症状を予測するのに十分な感度および特異度を示さず、治療決定の指針とはならない。
PR3-ANCA陽性率は10%以下である。

予後不良因子は、①65歳以上 ②心症状 ③消化管病変 ④腎機能低下 ⑤耳・鼻・咽頭といった上気道病変がない である。

血管炎症状発症から治療開始までの期間が2週間以内では末梢神経機能回復率は75%だったが、40日以上では不可逆的な神経障害に至る。

HES and EGPA Two Sides of the Same Coin:Mayo Clinic Proceedings

日本医師会雑誌 第153巻特別号(2)好酸球性多発血管炎性肉芽種症(EGPA)