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小児びまん性汎細気管支炎         09/28/25

びまん性汎細気管支炎(DPB)は、細気管支炎と慢性副鼻腔炎を特徴とする両肺の特発性慢性炎症性肺疾患である。咳嗽、痰、呼吸困難、慢性副鼻腔炎を臨床的特徴とする。DPBの平均発症年齢は40歳であるが、小児での報告は稀であり、喘息と誤診されることが多い。未治療のDPBは気管支拡張症や呼吸不全を引き起こす可能性がある。マクロライド系抗生物質による長期治療(6ヶ月以上〜5年以上)はDPBの生存率を有意に改善する。そのため、特に小児においてはDPBの早期診断が極めて重要である。

<DPBの診断基準>
主要基準(1:持続性の咳嗽、痰、労作時呼吸困難、2:再発性慢性副鼻腔炎の既往、3:胸部単純X線写真における両側びまん性小結節影、または胸部CT画像における小葉中心性結節影)
副基準(1:粗い断続性ラ音、ときに喘鳴、類鼾音、またはスウォーク音、2:1秒量/努力肺活量<70%かつ酸素分圧<80 mmHg、3:寒冷凝集素価≧64)のうち少なくとも2つを満たすこと。

DPBの発症機序は未だ不明である。日本では、HLA-B54などの特定のHLAハプロタイプがDPBの発症と関連している。緑膿菌はDPB患者の持続的な気道炎症および気道の構造的損傷を引き起こす可能性がある。

小児におけるDPBはまれであるが、喘息では非典型的な鳴き声のような聴診音と膿性痰の存在がDPBと喘息の鑑別に有用であったと報告されている。スクワーク(squawk)は、聴診で普段聞き慣れない異常肺音であり、過敏性肺炎、肺炎、間質性肺疾患で報告されている短い高音の吸気時の喘鳴である。適切な聴診と膿性痰の病歴聴取によって正しい診断と治療に結びつくことになった。

Squawks as an important physical finding for differentiation of diffuse panbronchiolitis from asthma in children: A case report : Journal of General and Family Medicine