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びまん性汎細気管支炎と気管支喘息の併存移行形    09/28/25

びまん性汎細気管支炎(DPB)は、呼吸細気管支をびまん性に侵す慢性炎症性疾患である。DPBではTh1細胞誘導性の炎症細胞である好中球が重要な役割を果たしている。低用量マクロライド療法は、気道における閉塞性病変と粘液繊毛輸送の両方に好ましい影響を与え、臨床症状およびびまん性顆粒陰影や肺機能テストを劇的に改善させることが知られている。
一方、喘息は典型的にはTh2細胞誘導性の炎症性疾患として説明され、好酸球が炎症を起こした気道において中心的な役割を果たしており、その気道炎症はコルチコステロイドで治療される。このように両疾患の気道炎症の特徴は対照的である。

湿性咳嗽、喘鳴、息切れ、胸部圧迫感などの典型的な症状はDPBと喘息の両方に共通するため、DPB患者はしばしば喘息と誤診される。DPBは主に東アジア諸国に発生し、これらの国ではDPB患者がしばしば誤診され、重症喘息として治療される。重症喘息の臨床症状を呈していたDPB患者がマクロライドで良好に管理されていたことが報告されている。ICS/LABAに反応しない重症喘息患者では、DPBを考慮すべきである。

気道においてTh1とTh2という2つの異なるタイプの免疫応答の共存はまれだと想定されやすいが、稀ではあるもののDPBと喘息の併存症例が報告されている。症例では、気道内に好中球性炎症と好酸球性炎症が共存し、低用量マクロライド療法の介入によって相互に変化していた。このように、DPB と喘息が共存する場合、Th1/Th2 免疫応答のバランスが治療介入によって相互に変化する可能性がある。低用量マクロライドによる治療は、Th2サイ​​トカインの有意な増加とFeNO増加をもたらし、同時にTh1サイトカインの有意な減少と好中球性気道炎症の減少を引き起こした。マクロライドは免疫系をTh1経路からTh2経路に移行させ、好酸球性気道炎症を誘発する可能性がある。

Coexistence of diffuse panbronchiolitis and asthma: reciprocity of neutrophilic and eosinophilic inflammation: Respirology Case Reports