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COPD、気管支拡張症の増悪は定着菌によるもの         09/02/25

過去の研究および現在のガイドラインでは、COPD、気管支拡張症、慢性気管支炎の増悪は主にライノウイルス、メタニューモウイルス、インフルエンザ、パラインフルエンザなどのウイルスによって引き起こされ、細菌や大気汚染などの他の炎症原因がわずかに関与しているとされていた。

しかし、この研究では、緑膿菌またはインフルエンザ菌による慢性気道コロニー形成のあるCOPD集団において、増悪時にウイルス感染の証拠は見つからず、むしろ増悪時よりもベースライン時にウイルスが多く見つかった。さらに、増悪の57.7%つまり半数以上で症状悪化の原因となる新たな細菌またはウイルスが検出されなかった。これは、緑膿菌やインフルエンザ菌といった病原体による慢性気道コロニー形成が、増悪時に存在する炎症を引き起こし得ることを示唆している。緑膿菌やインフルエンザ菌による慢性コロニー形成は、炎症、免疫調節異常、酸化ストレスを引き起こすことが知られている。

研究対象のCOPDと気管支拡張症の患者の85%に緑膿菌が、45%にインフルエンザ菌が慢性気道コロニーを形成していた。他に、18%に肺炎球菌、13%にモラクセラ・カタラーリス、3%に黄色ブドウ球菌が定着菌としてコロニーを形成していた。このように慢性気道感染症のマイクロバイオーム。プロファイルは、多様性の低下と構成微生物の偏移が特徴である。(一方、健常者のマイクロバイオームでは、多様な細菌、主にプレボテラ属、ベイヨネラ属、および連鎖球菌属が少量存在する。)

COPDまたは気管支拡張症による慢性気管支炎の増悪のうち、新な細菌が19.8%に、新なウイルスが15.5%に、新たな細菌とウイルスの両方が7.0%に検出された。一方、57.7%つまり増悪の半数強からは新たな感染はなく、定着微生物またはその他の増悪原因に関連していた。

増悪患者のうち8割近くで緑膿菌が検出されたが、そのうち新規感染による検出は1%未満であり、ほとんどは定着菌による持続感染であった。黄色ブドウ球菌は増悪患者の3%で検出されたが、そのうち1/3は持続感染であった。肺炎球菌は増悪患者の20%で検出されたが、その半分が新規感染検出、半分は定着菌による持続感染であった。モラクセラ・カタラーリスは増悪患者の17%に検出されたが、新規感染検出分が10%、定着菌検出分が7%だった。インフルエンザ菌は増悪患者の1%で新規感染として検出され、増悪患者の46%で持続感染として検出された。

このように、緑膿菌またはインフルエンザ菌による慢性気道コロニー形成のある慢性気管支炎において、増悪の半数以上で症状悪化の原因となる新たな微生物が検出されなかった。新規細菌感染が示されたのは増悪の26.8% にすぎなかった。

ライノウイルス、パラインフルエンザ 3 型、コロナウイルス OC43 がいずれも対象の5%以下にベースラインウイルスとして検出され、インフルエンザ A 型、メタニューモウイルス、コロナウイルス HKU1、RS ウイルスが増悪時に検出されたが、インフルエンザA型以外は数%の検出率にすぎなかった。増悪の15.5%がこれら呼吸器ウイルスの検出と関連しているにすぎなかった。

これらのデータは、細菌定着を有するCOPDまたは気管支拡張症または慢性気管支炎患者が増悪を呈した場合、定着持続細菌感染に焦点を当てた治療が適切であることを示唆している。症例のほぼ3/4において増悪時点で新たな細菌は認められず、過去の検体に基づく治療が、大多数の増悪において有効である。

Respiratory Pathogens at Exacerbation in Chronic Bronchitis With Airway Bacterial Colonisation: A Cohort Study