マスギャザリング(人がものすごくたくさん集まること)とは「特定の場所に特定の目的をもってある一定期間、多くの人々が集積することで特徴づけられるイベント」をいい、日本ではおよそ1万人以上を目安としている。万博では世界各国から多様な人が一堂に会することで、さまざまな感染症が持ち込まれ、そこから国内で集団感染やアウトブレイクに発展する可能性があります。大阪・関西万博では約3,000万人弱の総来場者が見込まれており、最も中止すべき感染症として麻疹と髄膜炎菌感染症が挙げられています。実際にすでに麻疹感染者が発生したことが報道されたばかりです。麻疹ワクチン(MMRワクチン)の接種が万博開催期間は特に強く推奨されます。また、ワクチンで予防可能な感染症であり、かつ1例でも発生するとパニックになりかねない髄膜炎菌感染症に対するワクチン接種も同期間にはとても重要だとされています。免疫不全がある場合、侵襲性髄膜炎菌感染症となり急激な経過で死亡することがあります。日本では馴染みのうすい感染症ですが、実際には国内でも2013年から2023年までの10年間で274例が報告されています。2019年ラグビーワールドカップでは、観戦のため来日した人が日本国内で髄膜炎菌感染症を発症しています。聖地巡礼のためのサウジアラビア入国時には髄膜炎菌ワクチンの接種証明が要件となっています。
2025.07.06