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上気道咳嗽症候群(Upper Airway Cough Syndrome) 10/13/24

上気道咳嗽症候群(Upper Airway Cough Syndrome;UACS) は、鼻の奥から喉にかけての上気道の症状を伴う慢性咳嗽を呈する一群のことであり、咽頭から生じる異常感覚、特に最も多いのは、後鼻漏がある感覚を伴った慢性咳嗽の状態である。
成人の8週間以上続く慢性咳嗽においてとても多く認められる状態である。

咽頭に何かが詰まっている感覚、とりわけ咽頭に粘液が存在する感覚を伴い、少なくとも8週間持続する持続性の乾性(痰のあまり出ない)咳を、UACSとみなす。

UACSは、以前は後鼻漏症候群として知られていた。しかし、咳嗽の機序が、鼻または副鼻腔から咽頭への分泌物の排出によるものなのか、上気道の咳受容体の直接的な炎症/刺激によるものなのか不明である。また、後鼻漏と呼ばれている感覚は、実際には感覚神経障害プロセスの発現であり、鼻汁の速度や量に関係しないことがある。専門家の意見では、「UACSの特徴の多くは、一般的な「咳嗽過敏症候群」の一部である」とする方向に向かっており、さらにUACSという疾患カテゴリー自体が一つの臨床的実体として存在することに異議を唱える研究者もいる。こうした理由で、慢性咳嗽に伴う後鼻漏症状は、現在ではUACSという状態であるという捉え方が一般的になっていて、鼻水が垂れるから咳が出るという作り話は過去のものになっている。

抗ヒスタミン薬と充血除去薬による経験的治療を試みることは、治療面で無駄ではないものの、下気道からの咳嗽に対する治療だけでも上気道症状の軽減に一部役立つことになる。

BMJ Best Practice