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脂質異常症にお勧めの食事

食事療法でLDLコレステロールを大きく下げることはできません。なぜなら、食事で摂るコレステロールより自分の肝臓で作られるコレステロールのほうが血液中のコレステロールに寄与する割合が大きいからです。とはいえ、ある程度脂質管理に好影響を与えることは間違いありません。
卵、肉類(特に牛肉、豚肉)は摂りすぎないようにしましょう。積極的に摂るべきものは、食物繊維、中でも水溶性食物繊維、多価不飽和脂肪酸です。
水溶性食物繊維を摂りやすい代表は大豆など豆類です。豆類は水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も豊富で、比較的量も摂りやすい。残念ながら、豆腐は加工の段階で食物繊維が減ってしまっています。ごぼうなど根菜類、わかめなど海藻類も水溶性食物繊維が豊富です。果物やカボチャでも摂れるのですが、同時に糖質・炭水化物の摂取も多くなるため、血糖コントロールに影響することがあります。食物繊維が豊富なシリアルも利用可能です。
多価不飽和脂肪酸が多く含まれるのは、アーモンドやくるみなどのナッツ類です。ナッツは食物繊維も豊富で量も食べられます。ナッツの摂取量が多いと心血管の病気や死亡のリスクが低下することが報告されています。毎日、片手に盛れる量(30g)のナッツを食べると死亡率が低下していました。ピーナッツは大豆、エンドウ、インゲンマメと同じマメ科で、アーモンドやくるみなどの木の実類とは違います。木になるナッツでは全死亡だけでなく、心血管イベント、冠動脈死、心血管死、がん死のリスクが低下していましたが、ピーナッツでは全死亡のリスクだけが低下していました。ただし、有塩タイプのものは塩分の過剰摂取になるので、無塩のものにしましょう。
ナッツは炭水化物の代わりに摂取してカロリーを埋めわせても良いです。
魚はEPAなどのオメガ-3系脂肪酸が豊富で、中性脂肪を下げる効果が期待できます。卵・肉の代わりに魚を食べることが勧められます。
豆類、魚、ナッツ、オリーブオイル、野菜を多くし、赤い肉(牛肉、豚肉)と卵の取りすぎを避けることです。