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英国で発生した髄膜炎菌感染症のアウトブレイク

英国のケント州で、髄膜炎菌B型による集団感染(アウトブレイク)が報告されています。大学や若年層コミュニティでの発生です。

髄膜炎菌感染症は、髄膜炎菌によって引き起こされる、極めてまれですが重篤な疾患です。髄膜炎(脳を覆う膜の炎症)や敗血症(血液中毒)を引き起こす可能性があります。突然発症するため、兆候や症状を把握し、迅速に対応することが非常に重要です。髄膜炎菌には、MenA、MenB、MenC、MenW、MenX、MenYなど、複数の株が存在します。今回の流行は、MenB株によるものです。

感染拡大には、同居、キス、飲み物や電子タバコの共有など、密接かつ長時間の接触が必要です(飛沫+濃厚接触感染)。若年層(10代後半〜20代)に集中発生し、学生寮やパーティーで、数人〜十数人規模のクラスターとしてアウトブレイクします。麻疹やCOVID-19などの他の感染症ほど感染力が強くありません。

潜伏期:2〜10日 致死率:5〜10%(治療しても) 後遺症(難聴・四肢壊死など)あり

濃厚接触者には抗生物質が予防投与され、90%の症例で感染治療および感染拡大抑制の効果があります。それと同時に、対象を絞った緊急ワクチン接種プログラムが導入されます。一般市民への感染リスクは低いのですが、MenB感染者の接触者を積極的に追跡調査し、濃厚接触者への予防抗生物質投与の継続が必要です。

症状が現れたら速やかに対応しなければなりません。髄膜炎菌感染症の症状は以下のとおりです。

ガラスで押しても消えない発疹
突然の高熱
激しい頭痛が悪化する
首のこわばり
嘔吐と下痢
関節痛と筋肉痛
光過敏
手足の冷え
けいれん
錯乱またはせん妄
極度の眠気または起床困難

当院でも提供しているMenACWYワクチンは、英国では中学3年生〜高校1年生に、米国では小学6年生と高校1年生に定期的に接種されています。一方、MenBワクチン(MenACWYワクチンとは別のワクチンです)は、英国では乳幼児向けには接種されていますが、青年および若年成人に対する一般追加接種は推奨されていません。米国では定期接種プログラムとして推奨されていません。当院でも現在提供していません。

UK Health Security Agency Organisations: Meningitis B outbreak: what you need to know
CDC: Meningococcal Vaccine Recommendations