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喘息を悪くしたくなければ食物繊維をたくさん摂りなさい      09/25/25

高繊維食の摂取は、成人における現在の喘息の有病率を低下させていました。また食物繊維摂取量を増やすと喘息症状(喘鳴、咳、痰)が軽減されることが示されています。特に女性と非ヒスパニック系白人成人でその傾向がはっきり出ていました。

さらに、高繊維食は、喘息に伴って罹患しやすい気管支炎(咳、痰、喘鳴)のオッズを低下させていました。果物や非デンプン性多糖類からの食物繊維の摂取量が多いと、咳や痰の生成が減少することがわかりました。高繊維の食事は抗炎症性食事で、低繊維の食事は炎症誘発性食事ということができます。炎症誘発性食餌(低繊維)の摂取量が多いと、喘鳴が生じやすくなり、表面的に活動性喘鳴がなくても呼吸機能検査で閉塞性換気障害が引き起こされやすいことが示されました。

喘息は気道の炎症性疾患であり、喘息のある成人では気道と血中の炎症マーカーであるCRP値が上昇することが示されています。食物繊維摂取量が多いほうが、炎症が軽減し、CRP値が低下し、食物繊維が喘息に対して保護効果を発揮することが示されました。高繊維食が、自然免疫の変化を引き起こし、CRP、腫瘍壊死因子-α、インターロイキン-6などの炎症マーカーを低下させるのだろうと考えられています。

繊維の抗炎症効果を説明するために提案されているメカニズムは、腸内細菌叢による繊維の発酵後に形成される循環短鎖脂肪酸SCFAs(酢酸、プロピオン酸、酪酸など)の産生増加によります。短鎖脂肪酸SCFAsは遊離脂肪酸受容体(GPR 41およびGPR 43)の活性化および/またはエピジェネティック制御を介して、炎症刺激に対する肺の反応を減弱させることが示唆されています。高繊維食はSCFA産生レベルの上昇と炎症に対するより強い保護と関連していました。

Association of Dietary Fiber on Asthma, Respiratory Symptoms, and Inflammation in the Adult National Health and Nutrition Examination Survey Population: ATS Journals